日本刀というのは武器としての役割はとっくの昔になくなったといえるかと思います。
日本刀を振り回して、という事件がありますが、許可もなく日本刀を持って回るのは違反ですし犯罪です。人を斬るなんてことはあってはならないと思います。なのでどれだけ丈夫か、強靭かというのを調べる必要もあまりないと思います。ただし、第二次世界大戦下で、陸軍受命刀匠が軍刀の切れ味などを調査する実験があったと伝えられているそうです。日本刀は美しいということを思う人達も多いかと思います。それは無駄のない究極の機能美という点に心惹かれるということもあるかと思います。刀身には機能美とは別に、刀身彫りというものがあるそうです。刀身彫りというのは、製作者や所持者の宗教観が表現されているそうです。自分の命を守る刀剣に不動明王などの神仏像や、梵字などを彫り込んで、宗教的な加護を求めるのはどこか真っ当な気もします。梵字というのは、密教で仏・菩薩などの象徴となる文字のことです。サンスクリット文字ともいいます。倶利伽羅というのは、龍が剣に巻きつき剣先を飲み込もうとしている図柄のことをいうそうです。
不動明王の変身体のことを倶利伽羅王というそうですが、倶利伽羅はその略称だそうです。
くりからもんもんというのは、倶利伽羅の模様という意味でもあるそうです。そして、この背中に彫られた入れ墨を倶利伽羅紋紋といいますが、この刀身の倶利伽羅の意匠が転じて、一般的な彫り物を表すようになったそうです。草の倶利伽羅と呼ばれるものもあるそうです。剣を飲み込む龍の図柄を簡略したものだそうです。真と草は、書道でいう真書(楷書)、行書、草書と同じ意味だそうです。刀身彫りというのは、真・行・草の倶利伽羅の図柄が多く見られるそうです。