日本刀と西洋の剣似てはいるが、非なるものなのです。まず、日本刀は「切り裂く」ということを目的としています。つまり、切れ味を重視しており、対象物に刃を当てて引き切るようにして使用されていました。そのため、刀身が薄く、かつ鋭利であることが求められていました。刀身の形状は名物である小烏丸を例外として片刃です。一方、西洋の剣は「叩き切る」ことと「突く」ことを目的としています。 つまりは斬撃力と貫通力を重視しており、対象物に対して力任せに振り下ろすか突き刺すかをして使用しました。このため刀身は厚く重く、かつ多少の刃こぼれがあっても武器として機能を維持できることが求められました。刀身の形状は両方に刃がついた両刃がメインですが、片刃のものも多いといわれています。また、斬撃力と貫通力が重視された西洋では、剣を坊ぐ盾なども斬撃と貰通に耐えうる ものに同時に進化していきました。特に 11′ 1宵は全身隙間がないことが西洋の特徴になっている日本刀と西洋の剣は種類の豊富さでも異なります。日本刀は平安時代初期 (794~1192年)に刀身に反りが入るようになって以降、時代を通じてほぼこの形を一貫しています。これに対して西洋の剣は実にバリエーションがとても豊かなのです。中世の騎士が使ったロング・ソード、15~17世紀に隆盛した刺突専門のレイピア、片刃の湾刀サーベル等々、時代や地域に応じて様々なスタイルに変えていきました もちろん、日本刀も古刀 ・新刀・新々刀で微細な相違や進化はありますが、形状自体に大きな改変はされていません。昔から変わらずに伝統を継承している日本刀の貴重さ、その当時の日本の刀をつくる技術等が現在にも受け継がれていると考えると、日本の物づくりの才能を感じる一つの歴史であると考えられ、刀はとても貴重な文化遺産だと感じ取れるのではないでしょうか。