オランダ、ポルトガルなどと貿易が始まり、西洋鋼が入ってきた。南蛮鋼といっていたが、当時の刀鍛冶はそれも自分のものとして日本刀をつくるようになった。だから新刀というのは単に時代が新しいというのではなく、まず古刀時代と制作した場所が違っている。使った材質が違う。それに伴って鍛え方が違う。又従来の古刀に憧れをもちながらそのままにやらず、一つの自分を作り出そうという気持ちが非常に強く出ています。各地の城下町を中心にあらゆる文化というものが起きて来た。このことの意味は、刀を鑑定する立場から言うと、最も困難な事だ。古刀時代には産出した鉄で作られているから、鉄の質は見た目でもわかるんです。ところが新刀時代になると交易によって容易に鉄が手に入り、さらに南蛮鉄を用いることもできる。まったく地鉄は同じ。だから鑑定というものはが非常に難しくなる。 したがって姿の次には地鉄というものを知らねばならない。